― 猛禽類に負担をかけない、HUNTING ANIMALが実践している方法 ―
前回は、日頃行っている「シャワー給水」についてご紹介しました。
今回は、その具体的な方法についてお話しします。
シャワー給水は、水をかければそれで良いというものではありません。
かけ方によっては驚かせてしまい、水に苦手意識を持たせてしまうこともあります。
反対に、猛禽類の習性を考えながら優しく行うことで、多くの個体は少しずつ受け入れてくれるようになります。
ここでは、長年の飼育の中で続けてきた方法をご紹介します。
シャワーをする時間帯
午前中から日中に行うことをおすすめしています。
その理由は、自然乾燥ができるからです。
シャワーをした後に日光浴をすることで、羽は自然に乾いていきます。
そのような個体は、
・羽艶が良くなる
・羽のまとまりが良くなる
・羽の状態がきれいに保たれる
と感じることが多くありました。
もちろん個体差はありますが、日光浴とシャワー給水をセットで考えています。
これは野生でも、雨に濡れた後に太陽の光で羽を乾かすという自然の流れに近い環境だと考えています。
水温は常温を基本にしています
シャワーに使う水は、常温を使用しています。
猛禽類は全身が羽毛で覆われているため、水が直接皮膚まで大量に届くわけではありません。
そのため、十分に環境へ慣れている個体であれば、冬場でも常温の水で大きな問題を感じたことはありません。
ただし、ここで一つ注意があります。
寒さに慣れていない個体や、体調が万全ではない個体に対しては、急に冷たい水をかけることは避けた方が良いと考えています。
何事も少しずつ慣らしていくことが大切です。
温水は使用しないようにしています
一見すると温水の方が良さそうに思えるかもしれません。
しかし、基本的に温水は使用していません。
猛禽類の羽には、尾脂腺から分泌される脂が行き渡っています。
この脂には、
・羽を保護する
・水を弾きやすくする
・羽艶を保つ
といった大切な役割があります。
温水は、この脂を必要以上に落としてしまう可能性があるのではないかと考えています。
そのため、常温の水を使うようにしています。
一番大切なのは「かけ方」です
最も大切にしているのは、水温よりもかけ方です。
実際に、水を嫌がる個体の多くは、水そのものではなく、驚かされることに反応しているように感じます。
例えば、
・顔のすぐ近くから急にシャワーをかける
・強い水圧で一気にかける
・ノズルを近付け過ぎる
こうした方法では、人でも驚いてしまいます。
猛禽類なら、なおさらです。
雨のように優しく
意識しているのは、
「自然の雨のように」
ということです。
最初は少し距離を取り、
上から優しく水が降るようにシャワーをかけます。
勢いではなく、柔らかさを意識することが大切です。
この方法で続けていくと、多くの個体は少しずつ水に慣れていく印象があります。
最初は驚いても心配ありません
初めてシャワーを経験する個体は、驚くことがあります。
これは決して珍しいことではありません。
野生でも突然の出来事には反応します。
大切なのは、一度驚いたからといってやめてしまうことではなく、無理のない範囲で少しずつ慣れてもらうことです。
焦らず続けることで、水を受け入れてくれる個体が多いように感じています。
慣れてくると見られる変化
シャワー給水に慣れてくると、
・落ち着いてシャワーを受ける
・顔に流れる水を自然に飲む
・シャワーの後に自ら水浴びをする
こうした様子が見られることがあります。
この姿を見るたびに、本来の環境に少し近づけてあげられているのではないかと感じています。
シャワー給水は特別なことではありません
シャワー給水を特別なケアだとは考えていません。
野生では、
雨が降り、
羽が濡れ、
太陽で乾き、
また羽繕いをする。
その繰り返しの中で生活しています。
飼育下では、その自然環境がありません。
だからこそ、その一部を少しでも再現することが大切なのではないかと考えています。
最後に
シャワー給水で大切なのは、
特別な技術ではなく、
猛禽類の立場になって考えることです。
・どの時間帯なら負担が少ないか。
・どんな水のかけ方なら驚かないか。
・どうすれば自然に受け入れてくれるか。
そうしたことを一つひとつ考えながら行うことが、結果として良い状態につながるのではないでしょうか。
現在の方法にたどり着くまで、たくさん試行錯誤を重ねてきました。
この経験が、皆様の猛禽類との暮らしに少しでも役立てば嬉しく思います。
次回予告
次回は
「なぜ『猛禽類に水は不要』という考えが広まったのか」
というテーマでお話しします。
かつて一般的だった考え方と、実際に長年飼育を続ける中で感じたことについて、経験を交えながらお伝えしたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いつも HUNTING ANIMAL のブログをお読みいただき、ありがとうございます。
次回の更新もお楽しみに。