~HUNTING ANIMALが考える猛禽類の爪・嘴ケア~
前回は、「コーピング、メンテナンス、トリミング」という言葉の意味と、当店の考え方についてお話ししました。
今回は、実際に当店が行っている爪の施術についてご紹介します。
一般的には「爪切り」と呼ばれることが多い施術ですが、当店では単に伸びた爪を短くする作業とは考えていません。
私たちが目指しているのは、猛禽類が本来持っている爪の機能を維持し、できる限り自然な状態へ整えることです。
飼育下では爪が変化することがあります。
野生の猛禽類は、狩りを行い、獲物を掴み、引きちぎり、さまざまな場所に止まります。
その積み重ねによって、爪は自然に摩耗し、健全な状態を保っています。
一方、飼育下では生活環境が大きく異なるため、個体によっては爪の表面が白くなり、厚みが増してくることがあります。
もちろん、すべての個体に起こるわけではありません。
しかし、このような変化が見られる場合、当店では単純に先端だけを切るのではなく、爪全体の状態を確認しながら施術を進めます。
当店の施術手順
まず、伸びた先端を専用のニッパーで適切な長さに整えます。
その後、白く肥厚した古い角質を丁寧に剥離します。
剥離した後には、その奥にある健全な角質が現れます。
さらに、爪の裏側も確認します。
実は、ここには肉片や血液などの食べかすが付着し、乾燥して固まっていることが少なくありません。
このような汚れは、水洗いだけでは落としきれないことが多いため、やすりを使って丁寧に除去します。
続いて、剥離によってできた細かな凹凸をやすりで滑らかに整えます。
最後に、爪全体の長さや左右のバランス、形状を確認しながら、一羽一羽に合わせて仕上げを行います。
先端は「丸くしすぎない」
飼い主様から、
「尖っていると危なくないですか?」
とご相談いただくことがあります。
確かに鋭すぎる爪は、人が怪我をする原因になります。
しかし、丸く削りすぎると、猛禽類が本来持つ「掴む」という大切な機能まで失われてしまいます。
そのため当店では、飼い主様の安全と、猛禽類本来の機能、その両方を考えながら先端を整えています。
「切ること」自体が目的ではありません
私たちは、爪を短くすることを目的として施術しているのではありません。
古い角質の状態、衛生面、形状、機能、そして全体のバランスまで確認しながら、その個体にとってより良い状態へ導くことを大切にしています。
これが、HUNTING ANIMALが考える爪の施術です。
次回予告
第3話「嘴は爪以上に難しい」
嘴は、上嘴と下嘴が一対となって機能する、とても繊細な器官です。
なぜ先端だけを切れば良いわけではないのか。
なぜ上下のバランスが重要なのか。
当店が大切にしている嘴の施術についてご紹介します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いつも HUNTING ANIMAL のブログをお読みいただき、ありがとうございます。
次回の更新もお楽しみに。