HUNTING ANIMALが考える猛禽類と寒さ
前回は、
「猛禽は寒さに弱い」のではなく、
「寒さに適応する機会があったかどうか」が重要ではないか.
というお話をしました。
では、なぜ猛禽類は寒さへ適応できるのでしょうか。
今回は、その仕組みについて、HUNTING ANIMALの考え方を交えながらお話しします。
猛禽類は「恒温動物」です
猛禽類は人間と同じ恒温動物です。
つまり、外の気温が変わっても、一定の体温を維持する能力を持っています。
しかし、この体温調節能力は常に同じではありません。
季節の変化に合わせて、
身体は少しずつ冬仕様へ変化していきます。
これは野生の猛禽類では、ごく自然に起きている現象です。
身体は季節を感じながら変化していく
秋になると日照時間が短くなり、
朝晩の気温も少しずつ下がっていきます。
猛禽類は、このような変化を毎日少しずつ感じながら、
冬へ向けた身体づくりを始めます。
一日で急激に変わるのではなく、
何週間、何か月という時間をかけて、
少しずつ寒さへ適応していくのです。
だからこそ、
突然やって来る寒波には弱くても、
秋から自然に寒さを経験してきた個体は、冬でも落ち着いて過ごすことができます。
羽毛は「服」ではなく高性能な断熱材
「冬は羽毛があるから寒くない。」
そう思われることがあります。
もちろん羽毛には保温効果があります。
しかし、本当に重要なのは、
羽毛そのものではなく、羽毛の間にできる空気の層です。
この空気の層が断熱材となり、
外の冷たい空気から身体を守っています。
さらに猛禽類は、
羽毛を立てたり寝かせたりすることで、
その断熱性能を細かく調整しています。
つまり、
羽毛は着ている服ではなく、
状況に応じて性能を変えられる高性能な断熱システムなのです。
適度な水浴びも大切な理由
当店では毎日のシャワー給水を大切にしています。
「冬に水をかけて寒くないのですか?」
と聞かれることがあります。
もちろん、どんな個体にも同じように行うわけではありません。
体調や気温、個体の状態を見ながら管理しています。
そのうえで感じるのは、
水浴びによって羽毛が清潔に保たれることは、
羽毛本来の機能を維持することにもつながっているということです。
汚れた羽毛では、
本来持っている断熱性能を十分に発揮できません。
日頃から羽毛の状態を良く保つことも、
寒さへ適応するための大切な管理の一つだと考えています。
常温管理には理由があります
HUNTING ANIMALでは、
年間を通して常温管理を基本としています。
それは「寒さに慣れさせる」ためではありません。
一年を通して自然な気温変化を経験することで、
身体が季節に合わせて変化する機会を失わないためです。
急激な環境変化ではなく、
毎日少しずつ。
この積み重ねが、
冬でも普段通り生活できる身体づくりにつながっているのではないかと考えています。
次回予告
しかし、ここで一つ注意しなければならないことがあります。
「暖かい環境で飼育すること」は悪いことなのでしょうか。
もちろん、そうではありません。
ただし、必要以上の保温が、
本来持っている能力を発揮しにくくしてしまう場合もあります。
次回は、
「過保護な環境が、本来の能力を奪ってしまうこともある」
というテーマについてお話しします。
🦅 飼育のヒント
・猛禽類は季節の変化を感じながら、少しずつ寒さへ適応していきます。
・羽毛の役割は羽そのものではなく、羽毛の間に作られる空気の層による断熱効果です。
・羽毛を清潔に保つことは、本来の保温性能を維持するためにも大切です。
・常温管理の目的は寒さに耐えさせることではなく、自然な季節の変化を経験させることです。
・急激な環境変化ではなく、「少しずつ慣れる」ことが寒さへの適応につながります。
猛禽類は寒さに勝つ動物ではありません。
四季の変化に合わせ、自らの身体を変化させながら生きる動物です。
その本来の力を引き出せる環境を整えることが、私たち飼育者の大切な役割だとHUNTING ANIMALは考えています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いつもHUNTING ANIMALのブログをお読みいただき、ありがとうございます。
次回の更新もお楽しみに。