HUNTING ANIMALが考える猛禽類と寒さ

前回は、猛禽類が季節の変化を感じながら、少しずつ寒さへ適応していく仕組みについてお話ししました.

では逆に、常に暖かく快適な環境で飼育するとどうなるのでしょうか。

ここで誤解していただきたくないことがあります。

「保温は必要ない」と言いたいわけではありません。

体調を崩している個体。

ヒナ。

何かしらの理由で体力を消耗している個体。

このような場合は、適切な保温が必要です。

しかし、健康な個体まで一年中同じ暖かい環境で管理することが、本当にその子のためになっているのか。

ここは一度考えてみる価値があると思っています。

野生の猛禽は四季の中で生きています

野生の猛禽類は、一年中同じ気温の中で生活しているわけではありません。

春があり、

夏があり、

秋があり、

冬があります。

日照時間も変われば、

朝晩の気温も変わります。

その変化に合わせて身体も少しずつ適応していきます。

それが本来の姿です。

飼育下では安全を確保することが最優先ですが、その一方で、自然な季節の変化をまったく経験しない環境になってしまうと、本来備わっている適応の機会も少なくなってしまいます。

「快適」と「健康」は同じではありません

人間でも適度な運動をしなければ筋力は落ちていきます。

使わない機能は、少しずつ衰えていくものです。

猛禽類の環境適応能力も、それと似ている部分があると感じています。

一年中エアコンで温度が一定。

外気に触れることがほとんどない。

水浴びもしない。

その環境自体が悪いわけではありません。

しかし、その状態が何年も続くことで、

本来持っている環境へ適応する能力を十分に発揮する機会が少なくなる可能性があります。

「快適そうだから大丈夫。」

ではなく、

「その子が本来持っている力を発揮できる環境か。」

という視点で飼育環境を考えるようにしています。

HUNTING ANIMALが大切にしていること

当店では、

一年を通して自然な気温の変化を感じられる環境を基本としています。

毎日のシャワー給水。

日光浴。

外気に触れる時間。

もちろん、その日の天候や個体の状態を見ながら判断しています。

目的は寒さに耐えさせることではありません。

自然な四季を経験する機会を作ること。

それが、健康な身体づくりにつながると考えているからです。

「過保護」と「大切にする」は違います

「寒そうだから暖める。」

その気持ちは、とても大切です。

ですが、その判断が、

飼育者の不安によるものなのか、

それとも、その個体に本当に必要な管理なのか。

ここは一度立ち止まって考えてみることも必要です。

本当に大切なのは、

必要な時には守る。

必要のない時まで守り過ぎない。

そのバランスです。

猛禽類は、とても優れた環境適応能力を持っています。

私たち飼育者がその力を信じ、無理のない範囲で発揮できる環境を整えることも、大切な飼育技術の一つではないでしょうか。

次回予告

では、

「寒さに慣らす」とは、具体的にどういうことなのでしょうか。

ここを間違えると、体調を崩したり、命に関わることもあります。

次回は、

「寒さに慣らす」と「寒さに我慢させる」はまったく違う

というテーマについてお話しします。

🦅 飼育のヒント

・必要な保温は大切ですが、健康な個体まで一年中同じ環境にすることが最善とは限りません。
・「暖かい=健康」ではなく、その個体に合った環境を考えることが重要です。
・自然な季節の変化を少しずつ経験することは、本来の環境適応能力を発揮する機会につながります。
・飼育者の「かわいそう」という気持ちだけで環境を決めず、個体の状態をよく観察して判断しましょう。
・本当に良い飼育とは、守ることと、持っている力を発揮させることのバランスを取ることです。

猛禽類は、私たちが思っている以上に環境へ適応する力を持っています。

その力を信じ、安全に引き出してあげること。

それもまた、HUNTING ANIMALが大切にしている飼育の考え方です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

いつもHUNTING ANIMALのブログをお読みいただき、ありがとうございます.

次回の更新もお楽しみに。